こだわりの素材
武昭号の剣道防具に使用する素材は 職人 博多屋敏昭 自ら製造現場を訪れ、職人の目で厳選した素材のみを使用させていただいております。 博多屋武道具店 謹製 『武昭』 『武心』 『武臣』 『肥前』 号は多くの素材を提供していただく多くの職人の皆様方に支えられています。
武昭号 剣道防具に使用するこだわりの素材 面金
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面金 チタン面金、ジェラルミン面金
チタン面金は頑丈で軽いので手刺面や高級なミシン刺面に使用いたします。
ジュラルミン面金はチタン面金に比べ、とても軽いので子供や初心者用の面に多く仕様されています。他、IBBジェラルミン、IBBチタン面金等もございます。
面金は頭部を守ること、面金の向こうに相手を見ること、面において非常に大きな役割があります。
面金製作 1
面金の台座と呼ばれる部分を型に合わせながら、カナヅチで加工していきます
面金製作 2
台座に穴をあけ、中心の縦金とヒゴと呼ばれる横金を取り付け、調整します。
面金製作 3
形状を確認後、刻印をいれます。最後に裏面を赤で塗装し、完成です。
(赤で塗装するのは光の乱反射を防ぐため)
武昭号 剣道防具に使用するこだわりの素材 鹿革
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茶鹿革 紺鹿革 白鹿革
剣道防具を製作する中で素材の中でもっとも重要といえるのが鹿革です。原皮より様々な工程を経て、白鹿革、茶鹿革、紺鹿革に加工されます。特に武昭の甲手(小手)の甲手頭に使う革は鹿の背中部分の革の一番良いところのみ(一枚の鹿革から一組分しか採りません)を使います。手の内の茶鹿革もしなやかで丈夫なものを選んで使用しています。鹿革の製作工程の一つ一つは単調になりやすいですが、それだけに重労働であり、時間もかかります。一枚の革ができるまでには 最低一週間はかかります。(まとめて、10~数枚といった数でまとめて仕上げます) 熟練の職人の技が必要ですが現在、職人さんの減少、高齢化のため、質の良いものはなかなか出来にくくなっています。
鹿革1
鹿皮の原皮(塩漬けされています)を様々な工程を経て、白く柔らかい鹿革にします。
加工された鹿革の中で剣道具に使用できるのは全体の半分以下となります。
鹿革2
加工した鹿革の中から、剣道防具に適した革を選び出します。
こてずりという作業で革の質を良くし、表面を平らにします。
鹿革3
こてずりが終わった鹿革を特別な機械に貼り付け燻します。
燻しおわり、出来上がった茶鹿革(主に甲手、小手の手の内に使用します)。
鹿革4
さらに茶鹿革を藍染の樽につけ、藍色に染め上げます。(藍染の樽は徐々に
濃い樽につけ、より濃い藍色に染めていきます)染め上がった紺鹿革。
(上右写真)(面、胴、甲手・小手、垂に仕様します)
武昭号 剣道防具に使用するこだわりの素材 鹿毛
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甲手(小手)の中に入れる鹿毛
きれいに刈り取られた鹿毛(一本一本がパイプ状になっており、通気性、衝撃吸収に優れます)。お使いいただくうちに鹿毛が砕けてより一層手にフィットしていきます。当店で製作された甲手(小手)の全ては鹿毛のみを使用いたしております。
武昭号 剣道防具に使用するこだわりの素材 古代毛氈
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古代毛氈
武昭号の剣道防具の面、甲手、垂の布団の中に使用する心材で、簡単に言うと獣毛を用いた絨毯のようなものです。特に古い毛氈(古代毛氈と当店では呼称しております)の方が厚みが一定で柔らか過ぎず、固すぎずに剣道具を軽く仕上げることができます。 古代毛氈の色は一般に赤系の色(緋毛氈)が多いようですが、右の写真のように、黄色のものもあります。
この古代毛氈を使うことにより、面では軽く作ることが出来ます。また、きちんと形がつき、面垂の部分を外側の部分に形をつけたときに戻らずにそのままの状態でとまりやすくなります。
垂では軽く出来ることはもちろんのこと、適度なこしがあるので腰にフィットしまるでつけているのを感じさせません。また、大垂、小垂にも使用いたしますので、下半身を妨げることなくすばやい足運びが可能です。
甲手布団に使用いたしますと軽くなり、衝撃吸収にも優れております。
形もつきやすいので面、甲手(小手)、垂を着けたときの立ち姿は大変美しくなります。
※当店では現代毛氈と区別するため【古代毛氈】と呼称しております。
残念ながら昨今、現代毛氈(フェルト)を毛氈と表記等の風潮がございます。お求めの際にはご注意下さいませ。
武昭号 剣道防具に使用するこだわりの素材 印伝(印傳)
印伝(印傳)
剣道防具では主に面、甲手(小手)、垂の裏の部分に使用されます。なめした革に染色を施し、漆を吹き付けて模様を描いたもので、名称はインド(印度)伝来に因むとされています。
柄も多種多様に渡り、勝ち虫として縁起のよいトンボ柄や日本人に馴染みのある桜柄等々様々です。